目からウロコの The 美肌道

第15話 季節の変わり目は、いつでもお肌の曲がり角

 

秋のお肌は変化している

 

 紫外線が降り注ぐ夏を越えて、日焼けした肌もすっかり落ち着いてくるはずの初秋の頃、お肌を触ってみるとなんだか感触が違う…と感じたことはないでしょうか。

なんとなく以前よりもお肌が硬くて厚いような…うーむ。でも気のせいかしら? と思えるくらいの小さな変化。この“気のせいかしら?”を見逃すかどうかが、実はお肌にとっての分かれ道となるのです。

 20代から30代前半くらいの健康なお肌であれば、その変化に気づくことはほとんどないかもしれません。しかし、夏を過ごしたお肌は、少なからず紫外線のダメージを受けていますから、表皮にはいつもより多くの古い角質が浮いてきて質感は硬く変化しているはずなのです。

 

お肌の衣替えシーズンは大わらわ

 

 普通に考えればこの不要な古い角質は、新陳代謝によってお肌から吐き出されるはずですが、2223歳を境に新陳代謝力が落ちてくると、お肌は急激な変化についていけずに、老廃物を吐き出し切れないという現象が起こってくるのです。

 秋のお肌は夏の老廃物の吐き出し作業だけでも大変だというのに、さらに大仕事が待っています。それは冬肌への衣替え。お肌は皮脂、汗の分泌が高まる夏肌と、冷えと乾燥から守る冬肌と、二枚の衣を使い分けているのです。春や秋の季節の変わり目は、この衣替えのシーズンとなりますから、状態が不安定になりやすく、ダメージの影響も受けやすくなっています。ここにきて夏の残骸とも言える取り残された古い角質が多くなれば、お肌は吐き出し作業を仕切れずに、急速にくすみ、硬くなってシワの原因をつくってしまいます。

 このことからもわかるように、お肌は年齢を重ねれば重ねるほどに新陳代謝力が低下し、毎年訪れる季節の変わり目が徐々に大きなターニングポイントとなっていくのです。

 

“お肌のごわつき”は比喩ではなかった

 

 余談ですが、20代後半の頃、ゴールデンウイークから8月にかけて南の島へ3回旅行するという無茶をしたことがありました。その年の秋、自分の頬を触ったときの感触がいつもとは違うと感じたのです。この初めての感触は一体なんであろうかと、幾日か頬を触っては考えていたのですが、あるときふと街中で『お肌のごわつき』というポスターの文字が目に飛び込んできました。お肌の“ごわつき”という言葉を感覚的に掴めていなかったのに、掴んでしまえた瞬間でした。

 比喩じゃなかったのね~~~。一瞬へたへたと座り込んでしまいたいくらいにショックでしたが、その時はまだ、ごわつき肌とまでは言えない状態だったのが救いでした。しかし、このまま肌状態が進行していけば、いつしか必ずごわつき肌に至ると気づいたわけです。

 当時まだ20代だった私の肌は、時間の経過と共に自然と元の柔らか肌に戻りましたが、やはり紫外線は侮れないと気づかされた経験だったのです。

 

一番らくで近道は、健康をベースに、5年、10年先を見据えたスキンケア

 

 こういったお肌の変化は、健康でそれ程年をとっていなければ数日後にはまた「気のせいだったかも」と思えるくらいの小さな小さなシグナルから始まるのです。

 小さなシグナルを感じても、実際にはその影響が感じられず、体制に影響なしと判断できたとしても、季節の変わり目の変化を見逃さず、新陳代謝を促すケアをすることはとても大切です。たとえば、5年後、10年後のお肌はまるで違う結果を迎えると推測してみてください。

 お肌は日頃から柔らかくほぐされていないと老廃物を吐き出し切ることが困難になります。しかし、古い角質を取ろうと、強く擦ったり、刺激を与えるとかえって硬くなります。無理な刺激を与え続ければお肌を急激に老化させる原因にもなるでしょう。

 そして、美肌を守るためには、もう一つ大切なポイントがあります。それは自然に即した生活習慣を心がけて、健康を保つということです。

 例えば、身体を養う時間帯である22時から2時にきちんと睡眠をとり、お風呂はシャワーだけでなく湯船で身体を温め、お食事の栄養のバランスを整え、胃腸を健やかに保ち、適度な油を摂ることなどです。

 本当にきれいなヒトとは健康なヒト、内側から輝くようなオーラを感じさせるものです。