目からウロコの The 美肌道

第11話 お肌を守る本当の紫外線対策に迫る!

 

紫外線対策って本当のところどうなのかと

 

 4月に入ると気になって仕方がない紫外線。 女性の皆さんはお肌を守ろうとUV化粧品を使ったり、帽子や手袋、日傘を準備したりとかなりきちんとされていらっしゃる方が多いと見受けられます。百貨店の化粧品カウンターなどでもSPF値を競うかのようにかなり紫外線ブロック力が高いとされる日焼け止め用アイテムが並んでいます。

 が、しかし。このUV化粧品って実のところ一体どうなの? と疑問を感じるのです。 

 

SPF値と比例して高まる“お肌への負担”って何?

 

 SPF値を前面に謳った日常紫外線用のジェルや、UV機能付きファンデーションなどがコスメ市場を席巻し始めた十数年前、その値に応じて紫外線をブロックする率が上がると言います。では、SPF値が高いアイテムだけあれば良いという理屈になるのではないのでしょうか? でも、SPF値が低いアイテムもあるのはなぜ? と疑問に思い、それを某化粧品メーカーのプレス担当者に尋ねてみたことがあります。今から18年前くらいのことです。その時のプレスの方がこう教えてくださったのを覚えています。

「室内やちょっとした外出くらいでしたらSPF値が10くらいのもので充分です。SPF値が高い物はそれだけプロテクト効果が高いので、リゾート地などへお出掛けされるときにお勧めします。ただし、SPF値の高い物ほど紫外線をブロックする反面、お肌に負担もかかるので、日常用にはSPF値がそれ程高くない物をお勧めします。SPF値が低くても普通に使う分には充分紫外線から守ってくれますよ」

 さらっとわかりやすい使い方の説明ですが、お肌への負担については一切触れていないので正直なんのことやらわかりませんでした。  

 

SPF効果の謳い文句に、数値が高いほど効く! というイメージばかりが先行

 

 このSPF値について、値が高いものほどお肌に負担がかかるということをご存知の方がたくさんいても、それはあまり深く考えられず“紫外線ブロック力”ばかりが注目されていると感じます。そして、リゾート地へ出掛けるときや、行楽地で長時間強い日差しにさらされるようなときはもちろん、昨今の美容意識が高い方は、日常的にもSPF値が高い物をお使いの方が多いようです。

 そういった傾向が強まったせいなのか、最近のUVアイテムはSPF値50のものが当たり前のように出回り始めています。デイリーユースでもSPF値25、子供用でSPF値20以上と数値がどんどん高くなっているのです! 大切なお肌を守りたいというニーズが引き起こした結果とはいえ、お肌への負担については置き去りにされているような印象を受けるのは私だけなのでしょうか? 

 

SPF値の高い化粧品は長時間お肌の上に載せることで負担をかけます

 

 SPF値の高いアイテムにはクレンジング剤できちんと落とすようにと表記されている商品も少なくありませんが、何時間もつけていることがすでに負担をかけています。そして、クレンジング剤を使わない子供たちのお肌に取り残された日焼け止めクリームの残骸は一体どうなるのでしょうか?

 化粧品はご存知の通り石油をはじめとする様々な油を原料としています。この日焼け止め化粧品にも当然のことながら油が含まれているわけですが、どうやらSPF値が高い物ほど油の含有量が高いものや、特殊な油を使った物も少なくないようです。こういった油をお肌に塗ることが“負担をかける”です。

 

“お肌への負担”をもっと具体的に知りたくないですか?

 

 ところで「負担って一体何?」とまだ思いませんか?

 プロテクト化粧品と言われるものはお肌に密着し、表皮を密封するヴェールのような働きがあります。これは本来開いているべき毛穴も塞いでしまうということです。

 毛穴が塞がれているということは実は大変なことを引き起こす原因となります。一番心配なのは皮脂の正常な排出が損なわれるということ。出口を失ってしまった皮脂は毛穴の中に閉じ込められて、さらに後から排出されようとする皮脂を塞き止めてしまいます。この不要な皮脂が、それ以前に正常に排出されなかった古い角質と絡まり、雪だるま式で硬く乾いて毛穴にこびりついていくのです。

 毛穴が塞がれてくるとお肌は脂を溜め込んで赤くなり、表面もデコボコとしてきます。さらにこれが悪化すると皮膚が赤黒く厚ぼったい感じになり、ニキビなどはなかなか治らなくなっていきます。

 しかも! この『負担』だけでは済まされず、日焼け止めに含まれる油によってかえってお肌が焼けてしまい、ダメージを受けるというリスクまであったのです。それでも日焼け止めをつけないと不安な人は、あまりSPF値が高くないものを2時間くらいを限度として使い、時間が来たら洗い流すというケアができればいいかもしれません。

 私個人のお勧めUV対策は、どんなに紫外線の強い季節でも、たとえ太陽燦燦の南国へ行こうともつけるべき物はシンプルなパウダリィファンデーションだけ! というシンプルケアです。この結論に至ったUV体験も追々お話しましょう。