目からウロコの The 美肌道

第14話 日焼けとシミの正体

 

白塗りお面が良かった!?

 

 日焼け止めを持たない1週間のハワイ旅行を無事終えて帰国した翌日、念のために角質ケアサロンに出掛けました。

こんにちは! とサロンへ入って行くと、いつも受付で対応してくださるスタッフの方が私をじっと見て「結局ハワイへは行かなかったのですね?」とおっしゃいます。

「いえいえ行きましたよ」

「え? でも全然日焼けしていませんね」

 スタッフの方は納得がいかないのか首を傾げます。それではと、日に焼けて皮が剥けた腕を見せると驚いた様子です。

「顔はまったく焼けていないんですね」と。

 こう言われて、改めてパウダリィファンデーションのUVケアが成功したのだと実感しました。もしかすると、あの塗りすぎ白お面が正しかったのかもしれません。「何事もなく帰国できた」と太鼓判をいただきました。

 

パウダリィファンデーションと角質ケアで大成功!

 

 シンプルなパウダリィファンデーションの乱反射効果によるプロテクト力は意外なほどに高いものですが、それに加えて適切な角質ケアが助けたという部分もかなり大きく、この二つのケアによって、日焼け止めを一切持たないハワイ旅行の成功を収めることができたのでした。

 パウダリィファンデーションで、顔がまったく焼けなかったわけではないと思います。ただダメージを最小限に抑えることができたのは確かで、さらに日焼けで傷んだ肌をその日のうちに優しく確実に除去しながら過ごしたため、まるで日焼けをしなかったかのような肌状態を保つことができたのです。

 

短期ヴァカンス限定の荒業は1日2回の角質ケア

 

 私がお勧めするちょっと変わった角質ケアは、通常は11回、毎晩のお手入れとして行うのですが、ハワイのようなリゾート地で強い日差しに長時間さらされる場合は、日中の行動を終えたら一旦部屋へ戻り、すぐに角質ケアをします。そして、もう一度パウダリィファンデーションをつけてからお買い物や夕食へ出かけるのです。もちろん、就寝前にも角質ケアをするという、イレギュラーな1日2回のケアでハワイ対策としました。

 これが日差しの強いリゾート地などでのコツですが、基本的に角質ケアは、1日1回です。もし毎日2回の角質ケアをすれば、お肌を疲れさせてしまいますから、必ず短期間のみ有効な手段と心得てください。

 これは急激な環境の変化で、お肌がダメージを受けて急速に表皮が浮き上がってきたところを、すかさず取ってしまえば、日焼け肌は定着する暇もなく残骸として取り去られ、正常なターンオーバーのもと新鮮な素肌が保たれるという荒業なのです。

 

身体の日焼け対策は“日焼けしていい”

 

 お顔はこのように角質ケアで新陳代謝をサポートする必要がありますが、身体はもっと自然に代謝をしてあっという間に皮が剥けてきますから、ひと皮、ふた皮と剥けた頃には大体もとに戻っているものです。

 身体のUVケアとしては、基本的には長時間素肌を日にさらさないこと。そして焼けてしまった場合はアロエジェルなどで沈静することです。身体でも腕など気になる箇所は角質ケアクリームを軽くつけて簡単にマッサージしておきます。こうすると日焼け肌がよりスムースに剥離されるので早めの回復が見込めます。

 身体に日焼け止めを塗ることは個人的経験からすると、あまりお勧めできません。以前、南の島のリゾート地へ旅行して腕にシミが出来ていた時期がありました。ちょうど20代後半に入った頃で、まだ若いのに年のせいなのかと思い込んでいました。今思えば日焼け止めクリームを塗り始めた頃です。

 ここ数年は身体にも日焼け止めを一切塗っていませんが、それ以来新しくシミができていません。それどころか何年も消えずにあった身体のシミがいつの間にか消えてなくなりました。日焼け後にお肌を沈静させることと、日焼けがひどいときはそこに角質ケアクリームでお顔と同じようにケアすることが一番の方法だと思います。気になる方はSPF値があまり高過ぎない日焼け止めを使うのがいいでしょう。

 

ちなみに…

 

 私はもともとリキッドファンデーションや下地が苦手だったため、パウダリィファンデーションのみのメイクが常でした。

 ところがある日、早朝から紫外線の強い山里で取材をすることとなり、つい油断をしてパウダリィファンデーションをつけずに、二日間外でカメラマンと写真を撮り続けてしまいました。それまでは、パウダリィファンデーションを軽くつけているだけなのにシミなど一切できませんでしたから、いつしか自分はシミができない肌質かもと過信したのです。そして、早朝からの仕事で、曇り空だったということも手伝って、たかが数十秒でつけられるパウダリィファンデーションの手間を惜しんだのでした。

 

リキッドファンデーションが守ってくれると思って

 

 このとき、いきなり顔にシミを作ってしまったのです。ひどく落ち込んだ私はその後「守らなければ!」という気持ちが高まり、それまでつけもしなかったリキッドファンデーションを使うようになってしまったのです。

 この落とし穴…それまでパウダリィファンデーションだけでシミができなかったという事実を見落とし、急にできたシミに慌てふためき、強力にプロテクトしてくれそうな、使ったこともないリキッドファンデーションに手を出してしまったのです。こんなふうに人は、迷うのでしょうか。

 リキッドファンデーションを使い始めてからの、顔は急に老けました。私は比較的肌のキメが細かいほうで、毛穴の開きなど縁のなにものと思っていたのに、急に鼻の脇から毛穴が開いて目立ってきたのです。それに伴って顔がたるみ始めました。それは少しずつ進行していきましたから、リキッドファンデーションが原因だとは考えずに、加齢現象だと理解していたのです。

 日焼け止めやリキッドファンデーションなど、油を多く含んだ化粧品を避けるべきだということは、これまでの美容の常識からはあまりにもかけ離れていて、とても受け入れられないことかもしれません。しかし、この日焼け止めやリキッドファンデーションを塗るかどうかが美肌の分かれ道となると言っても過言ではなく、お肌の基本的な力や美しさに雲泥の差をつけるに違いないのです。