第12話 非常識な日焼け止め対策

 

紫外線対策のパラダイムシフト

 

 角質ケアを本格的に始めて3カ月くらい経った頃のことです。ハワイへ一週間ほど遊びに行くことになりました。この1カ月くらい前にある程度以上の古い角質が取れて顔全体が急激にリフトアップするという奇跡のような体験をしたのですが、それ以来、もうこれまでの美容の常識は手放して、お肌のメカニズムと古い角質の関係を素直にみつめ、より自然な美容法に徹しようと決意していました。

 古い角質は、本来お肌の新陳代謝によって垢となり、自然に剥離していくものです。これを阻むのが、お肌の吐き出す力、すなわち新陳代謝力の低下です。さらにもう一つの原因となるのが、毛穴を塞いでしまう化粧品の油分なのです。

 お肌の新陳代謝力は毎日の優しい角質ケアでサポートできます。あとは、毛穴をいたずらに塞いで肌機能を低下させないことが重要です。こう考えるとおわかりだと思いますが、リキッドファンデーションや日焼け止めクリームなどは、毛穴にとって大敵です。しかし、日焼け止めを塗らなければお肌が焼けてしまう。このジレンマを解消する答えは、シンプルにして大胆、しごく自然なものでした。

 それは“お肌は焼けていい”という答え。

「冗談じゃございません。日焼け肌なんてありえません」という白肌命の方々からの声が聞こえてきそうですが、あえてもう一度言います。

「お肌は焼けていい」のです。

 

プロテクトはパウダリィファンデのみ。日焼け肌はその日のうちにさようなら

 

 ただしこれは、お肌の新陳代謝をサポートする優しい角質ケアを毎日行っている場合に限ります。要は日焼けで痛んだお肌をその日のうちにケアしてしまえば白肌は保たれるということです。

 紫外線対策はシンプルなパウダリィファンデーションをざっくりとつけるだけ。できればSPF機能がついていない昔ながらのタイプが理想的です。たとえハワイへ行くとしても紫外線対策はこれだけです。ただ、環境が急激に変わりますから、念のため帽子や日傘は準備することがベターです。

 ファンデーションは、SPF効果のあるものはそれだけ油分が含まれていますから、その油で逆に焼ける可能性があります。ですからさらっとシンプルなファンデーションをざっくりと載せて日差しを乱反射させるのが、いちばん優しくて安全な紫外線対策となるのです。ファンデーションをきれいに伸ばして均一に整えてしまうと乱反射効果が落ちますから気をつけましょう。

 ちなみに、角質ケアで整えたお肌には、どんなふうにファンデーションをつけても、ムラにはならず、きれいに仕上がります。表皮が滑らかで自然な潤いがあるとファンデーションが馴染んでしまうので、もはやカバーするということが必要なくなるのです。

 こうしてお肌につける油分を最小限に抑えて、油焼けと毛穴の滞りを回避するのです。

 

大切な手だけに塗った日焼け止めが教えてくれた真実

 

 ところで、以前にこの“シンプルなファンデーションだけでハワイにチャレンジ”をしたのに、つい出来心で手にだけ日焼け止めを塗ってしまった方のお話しをご紹介しましょう。

「ハワイへ行った時にパウダリィファンデーションだけにしようと思っていたんですけど、つい、手だけならいいかな、と思って日焼け止めを塗ってしまったんですよ。そしたら顔はすぐにきれいに戻ったのに、日焼け止めを塗った手だけがそれ以来くすんで元に戻らなくなってしまって。もう何年も経つのにいまだに…身体にも日焼け止めを一切塗らないようにした方がいいですよ。そのほうがすぐにきれいにもとに戻りますから」

 この方は手がきれいなことが自慢だったのですが、大切にしようとしたことが裏目に出てしまったのです。油を成分に含んだ化粧品の難しさを教えてくれたエピソードでした。