第1話 読者モデルの大変身に目からウロコがポロリ

 

はじめに

 

 「きっかけ」という言葉があります。これはご存知の通り、物事を始めるはずみとなるようなことを指し示すものですが、この言葉の中には「気勢」という意味も含まれております。

 簡単に言えば勢い。意気込んだ気持ちという意味もあります。

自分の美肌にこだわり始めたきっかけを一つ思い出してみても…なるほど、確かに意気込んだ気持ちが芽生え、はずみがついた瞬間でありました。言葉というものはよくできているものだと妙に感心してしまうわけです。

 きっかけがあって始めることは、ただ何かを始めることとは違うのです。

 この「目からウロコのThe美肌道」のエッセイもさまざまなきっかけを経てスタートへと至ったものです。センエツながら、このエッセイを読んでくださる方々に楽しんでもらいつつ、美しい素肌を求める人の本気の美肌道が始まるきっかけとなれば幸いと思います。

 そして、日本中にきれいで若々しい素肌の喜びが溢れますように! 

 

職人ヘア&メイクさんの肌づくりを超えたファンデーション技にびっくり

 

 というわけで、今回は肌の美しさの価値を目の当たりにした体験談をひとつ。

 雑誌編集の仕事をしていた頃、美容の特集ページで読者モデルがプロのヘア&メイクアップアーティストの方に変身させてもらうという企画を担当しました。

 この手の企画は当時人気が高く、雑誌ではよくあるページでもあります。このとき初めて一緒に仕事をすることになったヘア&メイクの方は、美しい肌づくりに定評があり、独自のメイクセンスを主張するというよりも、メイクを施す女性が持つ本来の美しさや、魅力を引き出すことを貫いている方でした。

 撮影当日、皆がスタジオに集合し、早速読者モデルのメイクが始まりました。ところがこれがなかなか終わらないのです。ヘアメイクさんは何十本ものさまざまなメイク用ブラシを並べて、まるで絵の具のパレットのように微妙に調整した何十色ものリキッドファンデーションをわずかに細い筆先に取りながら、一ミリ単位で肌に色を載せていくという途方もない作業を延々と続けています。この日、まだ次々と読者モデルがやって来るというのにタイムスケジュールはすでに押せ押せに。

 

超ナチュラルメイクであり得ない品格アップを実現!?

 

 うーむ、これは困ったと振り返ったそのときでした。先程「おはようございます」とスタジオに入って来た読者モデルの方が驚きの変身を遂げてメイクルームから出て来たのです! 

 とにかくまったく違っていました。これは一体どんなメイクテクニックなのかしらと、じーっと観察してみると…あれ? 実際には何も変わっていないように見えます。でも、印象が全然違うのです。女性としての格がぐんと上がって見えるとでも言いましょうか、上品でノーブルなオーラがお顔から思いっきり放たれていました。でもご本人のお顔そのまま。メイクで作り込んだ様子が見えてきません。

これぞお顔のトランスフォームなのでは? こんなにすごいナチュラルメイクを見たことない! 

 「すごい!完成ですね!」と喜ぶ私。しかし、読者モデルさんも、メイクさんも困惑した表情で「あの…まだベースだけなんですけど」とおっしゃる。

 え、ええっ!? この変身ぶりでベースだけ!? この長時間でベースだけ!? 衝撃でした。かかった時間はともかく、アイメイクもなにもせずにこんな華麗なる変貌を遂げるとは! 確かに肌の色むらを自然に均一に整えて健康的な血色を演出し、かつ、軽やかで透明感のある見事なベースの仕上がりでした。が、しかし、本当に肌のベースメイクのみだったのです。

 これはまさに目からウロコの瞬間でありました。だってそれまでの私はアイメイクや眉の形などこそがきれいの決め手なのだと信じていたのですから。

そして「色白は七難隠す」という言葉は真実だったのだー! と心で叫びながら、あることを思い出していたのでした。