「肌摩擦」と「肌格差」

この4月まで美容成分の書籍を作っていました。スキンケア中心の内容だったのですが、いろいろと調べていて気になったことの一つが「肌摩擦」。どんな化粧品を選ぶかということも大切ですが、それをどう扱うかということはさらに大切だと改めて考えさせられました。

 

ご存知のように摩擦は肌の衰えの原因になると言われています。美肌意識の高い方は、きっとお肌をこすらないように気をつけていることでしょう。ところが、日常のスキンケアやメイクなどに伴う「肌摩擦」、すなわち「肌をこする」ことについては個人差があるようなのです。単に肌をやさしく扱うことを心がけても、結果的にお肌に負担をかけてしまっている場合も少なからずあるのではないかと思います。

 

このホームページでもご紹介している『美しい素肌を育むスキンケア』講座(今はお休み中)で、これまでたくさんの女性の洗顔をお手伝いさせていただきました。そして、お一人お一人の洗顔には、それぞれの仕方や特徴があるのだと気づいたのです。こんなに? というくらい洗顔のすすぎ方一つ取っても皆さん違いがあります。しかし、やさしいタッチでと言われても、結局は自分基準となるわけですから、当然と言えば当然です。講座では実際にお肌に触れる強さや、洗う速度などをお教えするのですが、ほとんどの方が「そこまでやさしくですか!?」と驚いていらっしゃいました。

 

ここではご参考までに、お肌に負担をかける可能性が少なくなる‘やさしいタッチ’のヒントをご紹介したいと思います。

 

まずは肌摩擦の「メリット」についてです。フェイシャルマッサージは条件つきですがメリットがあると言えます。負担を最小限に抑え、適切にマッサージができたなら、肌はイキイキと活性化されます。この効果は表皮の奥にある真皮層の毛細血管が程よく刺激されることで、血流が促されるからだと言われています。

 

良いフェイシャルマッサージとは、クリームなどを使って肌摩擦が最小限になるようにして行います。マッサージで肌があちこちへ寄ったりするような強い動きは控えて、肌表面と手の間にあるクリームだけが動くようなタッチが大切です。しかし、クリームが肌で上滑りするだけでは毛細血管を活性化することは難しく、手の重みが自然に肌にのっているくらいの柔らかな圧力くらいは必要だと言われています。そして、どんなにやさしいマッサージであっても長時間行ったり、頻度が高くなると負担になることがあるので注意しましょう。

 

ところで、血流が促されるとどうしてお肌の調子も良くなるのでしょうか? ここで毛細血管について少しだけ振り下げてみますね。

 

ヒトの血管は、総延長が約10kmあると言われ、この長さは地球を2周半する長さだそうです。この中で毛細血管は100億本もあり、血管の99%を占めると言われているのです。毛細血管の働きは、主に酸素や栄養を細胞に届けることで、同時に不要となった二酸化炭素や老廃物を回収して、体外へ排出する働きを助けていると言われています。

 

この毛細血管には小さな穴が開いていて、適度に血液が漏れることでまわりの細胞に酸素や栄養を届けることできるそうです。しかし、加齢現象などで血液の漏れが過剰になると、末端の毛細血管まで血液が届かなくなって「ゴースト血管」を作ってしまうとか。手振り運動や、仰向けになって手足を垂直に上げてブルブル振る運動がゴースト血管を復活させると言われているのは、ブルブル運動によって血液が末端まで流れるということなのですね。

 

以上のことからもわかるように、お顔の程よいマッサージでは、毛細血管が刺激されることで血流が促され、その結果、血色が良くなることが期待できるのです。また、酸素と栄養がより多く肌に届けられるため、ツヤやみずみずしさがアップすると言うことにもうなづけます。

 

ただし、こうした良い結果を得るためには、肌への負担が最小限に抑えられた適切なマッサージであることが条件となることを忘れてはいけません。

 

一方、肌摩擦のデメリットとはなんでしょうか。肌は強くこすることでヒリヒリと痛くなったり、赤みが出たりすることがあります。これは極端な例ですが、比較的ソフトな摩擦であっても、度重なると目には見えないところで肌の負担になっていることがあると言われています。

 

美容的な視点からダメージの原因となりそうな肌摩擦関連を挙げてみると……メイク落とし、洗顔、シャワー、化粧水などのスキンケア、化粧コットン、メイク、マスクなどによる布や紙の摩擦、フェイシャルマッサージなど。

 

お肌のマッサージの結果はやり方次第ということですね。肌を摩擦しがちなフェイシャル マッサージは、肌にとって諸刃の剣ということです。

 

肌摩擦によるダメージのもっと具体的な例としては、肌のゴシゴシ洗いや手で強く押したり、繰り返し強めに肌を撫でること、強めのシャワー、毛穴の角栓取りパック、スクラブ洗顔料、化粧コットンで強くこすること、強めのパッティング、乳液や美容液、クリームの塗り込み、メイクブラシやパフの当たりの強さ、過剰なフェイシャルマッサージなど。

 

こうした美容的な肌摩擦によって、角質層が傷つき、肌が薄くなって弱化することがあると言います。表皮が傷つくと、うるおいバリアの機能が低下するため、空気の乾燥や紫外線などのダメージを受けやすくなります。また、肌を強くこすることでメラノサイトが刺激されて、シミやくすみの原因にもなるとか。ちなみにシミができやすくなる理由は、摩擦が刺激となって伝わると肌の防御機能が働いてメラニンを増やしてしまうからだと言われています。

 

また、マッサージなどを過剰に行うと肌のたるみの原因になるとも言われています。毛細血管を活性化するだけの理想的なマッサージには相当の技術が必要だと言いますから、自己流のホームケアでは、多くても2週間に1度くらいの頻度に止めることが無難だと個人的には思います。余談ですがフェイシャルマッサージを減らして、ツボ押しをプラスすると、摩擦のリスクを回避しつつ、美肌効果を狙えるとも言われています。

 

以上のことからもおわかりの通り、日々のスキンケアは肌を守り、美肌を目指すこともできると同時に、一歩間違えれば自ら肌にダメージを与えて乾燥やたるみ、シミ、くすみの原因を作ってしまうこともあり得るということ。肌格差はスキンケア レベルの違いからも生まれていると言えるのかもしれません。

 

余談ですが、お肌のことを学んでいらっしゃるであろう化粧品カウンターの美容部員さんにメイクをしてもらうと、ファンデーションやチークを非常に繊細なソフトタッチでつけてくださることが多いのも、肌摩擦のリスクを知っているからこそのものなのかもしれませんね。

 

しかし、興味深いことには、肌は甘やかし過ぎてもいけないという専門家の声もあるとうことです。摩擦を肯定しているわけでもないのですが、顔剃りをすることで古い角質がケアされて、肌も良い状態になるし、時には肌に刺激も必要で甘やかしてばかりでは弱るというようなことを言われていました。

 

顔剃りと言ったら、肌に刃物を当てるわけですからかなりな刺激のはずです。しかし、これは肌をこするということとは違うものなのかもしれません。ちなみに、顔剃り後は、必ず化粧水で肌を整えることが大切です。できれば乳液くらいまではつけるといいでしょう。こうしたアフターケアを怠らず、基本的に体調が良ければ肌トラブルの原因になる可能性は少ないようです。

 

話がそれてしまいました。元に戻します。健康で若々しい肌を守るためには、基本的に肌摩擦を避けることが勧められます。普段の洗顔やクレンジングを1ランク〜3ランクくらいやさしいタッチに変えてみると、肌の様子が変化したと感じることもあるかもしれません。また、スポーツシャワーなど水圧が強いシャワーで顔を流すことは控えましょう。顔には一切シャワーを使わないほうがいいとおっしゃる方もいるくらいです。

 

で、私はどうしているかと言うと、よく角質ケアのマッサージをしています。これまでお話ししていることと矛盾しているようですが、とてつもなくやさしいタッチのマッサージを行なっているのです。マッサージをしても肌が動かないように、そっと、ゆっくりペースで摩擦を最小限に抑えています。それでもなお、肌がくたびれてきたと感じたら、ただちにお休みします。そして、シャワーはかなり弱め。洗顔後のタオルはそっと肌に当てて水気を取るだけで、決してこすりません。化粧品もできる限りこすらずそっとつけています。

 

角質ケアとは別に、フェイシャルマッサージをたまにすると効果を実感しますが、欲張ると肌がくたびれるので数カ月〜半年に1回という頻度。肌はこすったりして負担をかけてもいけないけれど、甘やかしてばかりや、古い角質を積もらせてもよくないなど、ちょっと難しい面があるようです。

 

 

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