化粧水の効果と分量は比例する?

「化粧水をたくさんつけるほど効果が上がるというのは本当ですか?」先日、こう質問されました。これは化粧水をたっぷりと使うと、成分がより多く肌に浸透して美肌効果が上がるのかということですが、特に高級化粧水をたっぷりと使えばエステ並の効果があるとかないとか。

 

これまで美容関連で取材をしたことや、実際に試したり、同業者の話なども参考に分析すると、基本的な答えとしてはNOです。なんでもそうですが適量というものがあり、過ぎたるは及ばざるが如しという結果が多いのは事実なのです。

 

しかし、化粧水をたっぷりとつけると良いとか、2種類の化粧水を重ねづけすると効果的だというプロの話を耳にすることがあります。これらは特に年齢肌に言えることですが、乾燥していてもう少し化粧水が必要な人や、コンビネーションスキンなどで2種類の成分を使い分けるときに有効な場合もあるからでしょう。

 

ただし、ノーマルスキンでこれといった問題のない肌にたっぷり重ねづけや、2種類の化粧水づかいを適用してしまうと、分量が過剰となり、汚れとなって肌を害する可能性が出てきます。汚れが少しずつ溜まっていくと毛穴の排出機能を損なう可能性がないとは言えないのです。

 

肌のタイプにもよりますが、一般的に20代から40代前半くらいまではごく普通に化粧水をつけていれば、さほど問題はないはずです。ただ、注意したいのは化粧水だけではなく、その他の美容液や乳液、クリーム、ファンデーションなども適量を超えていたり、本来の肌質に合っていないものであれば肌トラブルの原因となる可能性がありますから注意が必要です。

 

重要なのは、一般的な量としての多い少ないではなく、自分にとっての適量を見極めることでしょう。そこで、今回は、ご自分の化粧水の適量をどう判断すればいいのかと言うことについて参考になりそうなことをいくつかご紹介します。

 

●人差し指、中指、薬指の腹を中心に、手を使って化粧水をつけること

これは、手の感触で肌の状態を感じ取りながら化粧水の適量を判断するために必須です。化粧用コットンを使うことは摩擦のリスクが増えますし、化粧水も早く減ってしまいます。

 

●手のひらに取る1回の化粧水量は少なめに

手のひらに化粧水をバシャっと1回置いて、パパッとつけて、ハイ、終わり! といったつけ方でスキンケア効果を高めていくことは難しいでしょう。手のひらに1円玉くらいの少量をとって、軽く両手のひらになじませ、そっとやさしく肌につけます。圧力もかけ過ぎないように気をつけましょう。これを必要なだけ繰り返します。

 

●化粧水は乾燥しやすい部分から順につけて

化粧水を手のひらに1円玉くらいとっても、肌の上でバシャバシャと水分が残るようでは多過ぎる証拠。肌に適度に馴染むくらいの分量も重要な目安となります。これを軽く手のひらで伸ばして目元、口元、頰、額、こめかみ、あご、鼻の順でつけていきます。これを必要なだけ繰り返しましょう。化粧水が足りなくなればその都度手のひらにとって少しずつ使うようにします。いちばん皮脂の分泌が多いTゾーンの中心となる鼻が最後なのは、化粧水のつけすぎを控えるためです。

 

※ただし、ニキビ用化粧水など、皮脂を抑えるタイプのものは別です。必要な部分にきちんとつけましょう。

 

●肌の感触が変わったら保湿完了

化粧水を手でそっとつけて、肌が程よくうるおい、自然で心地よいベタつき感が出たら化粧水のお手入れは完了です。クレンジングや洗顔できちんと汚れが落とせていれば、その後の化粧水の時に保湿因子(NMF)が肌から出てきて、しっとりと心地よくベタついた感覚があるものです。この保湿因子のうるおいを守り、補うために化粧水をつけるわけで、たくさんつければいいと言うものではありません。

 

●入浴の時は最後に洗顔を

入浴する時は、湯船に浸かった後、浴室を出る直前に洗顔をしましょう。最初にクレンジングや洗顔を済ませて、それから湯船に浸かったりすると汗をかいて肌代謝が活発になります。そうした状態で化粧水をつけても角質層に成分が届く前に流れてしまったり、新たに排出される皮脂や汗で肌が汚れた状態になります。ですから最後に洗顔をしたら、できるだけすぐに化粧水をつけることをおすすめします。

 

化粧水のつけ方に加えて、確認したいことがあります。それは自分の肌質。肌は、特に気になることがないのか、乾燥しがちなのか、脂っぽいのか、乾燥する部分と脂っぽいところが両方あるのかなどがチェックポイントになります。これはよくご存知の「ノーマルスキン」、「ドライスキン」、「オイリースキン」、「コンビネーションスキン」にわけられ、敏感肌は「センシティブスキン」となります。

 

自分の肌質をきちんと見極めて、その肌質に応じた化粧水選びをすることも重要です。もし、化粧水を使っていても今ひとつ効果を感じられなかったり、逆に吹き出ものなど、肌荒れを起こしやすいようであれば、何らかの理由で合っていないと言えます。また、肌質に合わないだけでなく、あまり効果を発揮しないアイテムもありますから注意しましょう。

 

ここで、ありがちな失敗例をご紹介します。乾燥肌だからといって、いきなり保湿力がすごく高いアイテムを選ぶことは危険です。これは肌にとって過剰になってしまう可能性が大きいからです。もし、そうなると吹き出ものや肌荒れ、たるみや毛穴の目立ちを作る原因につながります。

 

20代から40代前半であれば、いきなり極端なアイテムは選ばずに、まずはノーマル化粧水をていねいにつけることから始めてみるのも一つの方法なのです。お手入れの仕方や、化粧品の効果を見極めるのには3週間を目安にお試しすると、それなりに結果が見えてくるはずです。この期間につけ方や、自分にとっての適量を探っていくのです。いろいろ試してみて何も変化がなければ少なくとも害はなかったと言うことでしょう。しかし、より良いアイテムを探す必要はありそうですね。

 

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