ダイナミズムとリラクセーションが同時にある時

 

 

昨日は三鷹で『ヨーガの体心息メソッド講座』でした。

 

 

 

暖かっかたですよね。

 

 

 

 

 

この講座は、ヨーガアーサナをはじめ、脳を活性化するメソッドや、

 

 

 

氣を養うメソッドなど、これまで自分で行ってリアルな効果を感じたものを

 

 

 

プログラムしたものです。

 

 

 

とても簡単な体操やストレッチをするとイメージしていただけると

 

 

 

いいかもしれません。

 

 

 

これらアーサナや氣のメソッドなどは、普段から身体に定着した

 

 

 

緊張を和らげることを目的として選んだもので、

 

 

 

コリや疲労、または普段本人の注意が向かず

意識が眠っているようなボディ パーツを

目覚めさせます。

 

 

 

なにをするにもそうなのですが、

身体に余分な緊張やストレスがあると

能力を十分に発揮できないのです。

 

 

 

 

 

ところが、人が「よーし、やるぞぉ!」とやる気を出すと、

 

 

 

たいていの場合は力がぐっと入ります。

 

 

 

もちろん、ヘナヘナのままで「よ~し、やるぞぉぉぉ」と言っても

 

 

 

なかなか上手くはいかないことが多いでしょう。

 

 

 

ここがなかなか面白いといいますか、人間の興味深いトリックで、

 

 

 

やる気を発揮するには

ある程度力む必要を感じるし、

 

 

 

しかし、それが緊張を多く含んだ力みになれば

パフォーマンスはガクッと落ちてしまう

というパラドックスになっているのです。

 

よくアスリートの方が

大変な試合や演技を

こなしている時、

 

 

 

すごい動きをしているのにも

関わらず、周りのことも

はっきりと見えていて、

 

心はとても落ち着いていた、とおっしゃることがありますよね。

 

 

 

この躍動の最中にありながら明瞭で

鋭敏な感覚を保つことができる意識を求めて、

アスリートの方々はメンタルトレーニングも欠かせないとおっしゃるのでしょう。

 

 

 

 

躍動と明瞭な鋭敏さを同時に保つ

―――これはヨーガの神髄でもあります。

 

 

 

ヨーガアーサナや呼吸法、瞑想を追及することでも、

 

 

 

この感覚を養うことができるのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちょっと話は変わりますが、昔こんなことがありました。私は高校生の時に

 

 

 

交通事故に遭ったことがあります。

 

 

 

自転車で通学していたのですが、その日は朝からなんだか身体が重くて、

 

 

 

気持が前に進まない感じでした。

 

 

 

毎朝信号機を14個くらい通貨するのですが、いつも不思議なくらいにすべて緑。

 

 

 

3年間ほぼノンストップで通学していたのですが、この日はすべての信号機が赤。

 

 

 

ストップ、ストップ、ストップ! 

って感じで止められるのです(?0?)

 

 

 

なんだか前に進まないほうがいいみたい・・・。

 

 

 

こんなふうに思えてきました。

 

 

 

いやいや、そうじゃないでしょ、とまたしばらく自転車をこいでいたら

 

 

 

ものすごーく身体が重くてだるーくなってきて・・・。

 

 

 

 

 

今日は休んじゃおうかな・・・自転車をこぎながらこう思って自分に驚きました。

 

 

 

とても単純だった私は当時、病気でもないのに学校を休むということを

 

 

 

考えたこともなく、

 

 

 

こうしたことを思いついたことにとてもびっくりしたのです()

 

 

 

 

 

一体なにを考えておるのだ、自分は、と己をたしなめて、

 

 

 

身体がちょっとだるいくらいで休もうと考えるなんてどうかしていると、

 

 

 

 

その考えを振り払うように慌てて力強くペダルをこぎ出した

 

 

 

 

その時でした。

 

 

 

いつもの細い路地を曲がろうと自転車で道に出ると

 

 

 

すでに左手からワゴン車がすぐそこまで迫っていたのです。

 

 

 

細い裏路地なのにすごいスピードです。

 

 

 

ここで前に出ようが、下がろうが、その距離とワゴン車の速度からして、

 

 

 

もう間に合わないと瞬間的に気づきました。

 

 

 

気が付いた時にはすでに車にひかれるしかないタイミングだったのです。

 

 ところが、

 

 

 

こう判断した瞬間からまるで時間はスローモーション

ように変わったのです。

 

 

 

音がなく、まったくもって

落ちついた気分で明確な感覚に

切り替わっていました。

 

 

 

とても落ち着いた心地で疾走してくるワゴン車を見ながら、

 

 

 

ああ、このままひかれると左の手が車と自転車のハンドルの間で潰されて

 

 

 

指の骨が砕けるなと考え、ゆっくりと左のハンドルから手を放して、

 

 

 

手を身に引き寄せて腕の側面で車を受ける体勢を整えました。

 

 

 

それから、ワゴン車にひかれたら相当な衝撃だろうなと考え、

 

 

 

身体のどこで受けるのがいちばんマシか考え、

 

 

 

そのまま身体の側面で受けるしかないと結論づけました。

 

 

 

 

 

 

 

それにしてもこの勢いのワゴン車にひかれるのは・・・。

 

 

 

あー、いやだなーと憂鬱な気分になったところに、

 

 

 

 

 

ドン! 

 

 

 

 

と大きな衝撃が身体にきて、勢いよく宙に飛ばされました。

 

 

 

 

 

地上から多分1メートルくらいの高さを10メートルくらい飛ばされたようです。

 

 

 

衝撃と共にビュウビュウと飛ばされながら、

 

 

 

制服のスカートがなびいているのに気づいて

 

 

 

「あ、いけない」と、めくれないように手で押さえました。

 

 

 

くるぶしのところから黒いスッとキングがタ――ッと伝線してくるのが見えます。

 

 

 

伝線がこんなふうに伸びていくのを初めて見るかもと思いつつ、

 

 

 

あーあ、ストッキングやぶれっちゃった、と少しがっかり。

 

 

 

朝からストッキングが伝線すると小さくがっかりする

 

 

 

あの女性ならではの感覚です。

 

 

 

で、飛びながら「この高さ、このスピードで飛ばされて、

 

 

 

落ちるのはコンクリートの上かぁ、これはかなり痛いなぁ」と想像して、

 

 

 

身体のどの部分から落ちるのがいちばん痛くないか

 

 

 

じっくり考えることにしました。

 

 

 

 

 

まず頭は守ろう、首も大切、

 

 

 

お腹から落ちるのは・・・と想像して・・・内臓があって危険だし、痛すぎ、

 

 

 

足から落ちると骨が折れそう、手もついたら折れるな・・・、

 

 

 

背中から落ちるのも相当痛くて息ができなくなりそう・・・

 

 

 

やっぱり背中寄りの肩から身体側面がいちばんダメージ少ないかなぁ・・・。

 

 

 

よし、これしかない。

 

 

 

 

 

 

ドン!

 

 

 

 

 

そう思って、背中寄りの身体側面からコンクリートに意識的に落ちたのですが、

 

 

 

それでも思った以上の衝撃で、コンクリートに打ち付けられると

 

 

 

息ができなくなり、

 

 

 

表現できないような激痛が走りました。

 

 

 

痛いを超えた驚き。

 

 

 

生まれてこのかた感じたことのない強烈な衝撃でした。

 

 

 

 

 

そして、そのまま道路に倒れると人が5~6人駆け寄ってきたようで、

 

 

 

その中の誰かおじさんが

 

 

 

「あんた10メートルくらい飛んだよ、すごい勢いだった、大丈夫かい? 

今、救急車呼んであげるからね。大丈夫かい?」と声をかけてくれました。

 

 

 

毎朝通っている人っ子一人いないような通りだったのですが、

 

 

 

親切そうな人がすぐにたくさん出て来てくれて良かったとホッとしました。

 

 

 

いつもは誰も見当たらない通りだったので、多分倒れたまましばらく

 

 

 

一人でそのままになるのじゃないかと覚悟していたのです。

 

 

 

 

 

意外と助かった! こう思って御礼を言おうとしますが声が出ません。

 

 

 

「あー、何もしゃべらなくていいんだよ。あんた顔が真っ青だ。

頑張って、もう少しで救急車が来るから、

この人は看護婦さんなんだよ、だから大丈夫だよ」

 

 

 

へぇ、と思って見ると心配そうな顔で女性が覗き込んできて

脈を診てくれました。

 

病院へ運び込まれて、レントゲンやら、なんやら検査を受けた結果、

 

 

 

交通事故の怪我は身体の打ち身のみ。

 

 

 

2週間もすればもとに戻るでしょうということでした。

 

 

 

実際はずいぶんな距離を飛ばされたので、命を落としてもおかしくない

 

 

 

事故だったのに打ち身だけで済むなんて本当に良かったですよ、

 

 

 

とお医者さんがおっしゃいました。

 

 

そして首を傾げながら、

 

 

「偶然なんでしょうけど、

とにかくあなたの受け身が良かった。

すごくいい受け身をしたみたいですね。

 あなた柔道とか何か受け身の練習でもしているの? そうは見えないけど」と。

 

 

 

「いえ、受け身の練習をしたことはありません」と答えつつ、

 

 

 

偶然じゃないよ、相当じっくり考えてから落ちたんだから。

と、心の中でつぶやきました。

 

 

 

にわかに信じがたい話かもしれませんが、本当の話です。

 

 

 

 

 

この時、人間って危機に瀕するとこんなふうになることがあるんだと

驚きましたが、普段はこうはいきません。

いつでもこういう意識状態だったら便利だとは思いますが(^。^;)

 

 

 

 

 

人間のポテンシャルにはこういったものもあると知ると、

なるほどなと思うわけですが、

 

 

 

ダイナミックな状況の中、心が静かで明瞭な状態を保つというのは、

物事をとても簡単にするということなのかなと思います。

 

 

 

こうした状態に近づくには、身体の緊張をほぐして、

リセットすることがいいようです。

 

 

 

身体が緊張から解放されていて、ある程度以上の柔軟性を保持できると

 

 

 

心が寛ぎ、ポテンシャルを発揮しやすくなるのです。

 

 

 

 

 

『ヨーガの体心息メソッド講座』ではイチローが練習を始めるときに

必ずするという心身をほぐすためのメソッドも取り入れています。

 

 

 

その他もほとんどが身体をゆるめて、呼吸を深くするためのメソッドばかり。

 

 

 

そうしてとことんリラックスして、

心身をゆるませていくこと

すべてのベースづくりとなるし、

若返りを感じるほどに健康な感覚を取り戻す

 近道となると思いますよ。

 

 

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