めまいの主な原因として睡眠、地球環境の変化を挙げてきましたが、
今日は耳との関係についてです。
耳の病気でめまいを伴うものがいくつかあります。
一般的に多いとされているのが、良性発作性頭位めまい症。
70歳以上の高齢者に比較的多いのはめまいを伴う突発性難聴。
この他、メニエール病、中耳炎、
外リンパろうという急激な空気圧などで生じる耳鳴り、耳の詰まった感じ、
難聴が起こる病気などがあります。
これらは回転性めまいを起こすものが多く、
ひどくなると嘔吐や立っていることが困難になる場合があるようです。
耳の病気を伴うめまいは
すぐに病院で診てもらうことが
必要ですね。
さて、なぜ耳とまめいが症状としてセットになることが多いのでしょうか。
これをアーユルヴェーダのドーシャ理論に当てはめてみましょう。
耳には耳の穴があり、空洞を持つ器官です。
この穴は「空」です。
また、音を聴く機能を持っていますが、
これは音というある種の波が空気中で振動したものを聴覚が捉え、
脳へと伝達されます。
この波の振動とは「風・動き」です。
「空」と「風・動き」はアーユルヴェーダのドーシャの
ヴァータという質に置き換えることができます。
このヴァータ(空・風)の質を含め、ピッタ(火)、カパ(土・水)の
3つのドーシャはどれも
増え過ぎることで
バランスを崩し、
身体のドーシャであれば、
そのアンバランスは病気などの不調として現れるのです。
ですから、
耳の病気はヴァータの質が増え過ぎてしまった症状と言うことができます。
ヴァータには軽い、不安定、冷たいという特徴もあり、
めまいはまさに軽すぎて不安定になった状態と言えるでしょう。
また、めまいを起こすのは一般的に男性よりも女性の方が多いようです。
実はこれにもヴァータが関係しています。
ヴァータは軽い、乾いた、不安定、空などの質があり、
次に挙げるタイプの方たちは
ベースに持つヴァータの質が多めと言っていいでしょう。
痩せた人(軽い)、
瘦せた女性(骨も軽くさらに軽い)、
40代以降の女性(一般的に乾いた、空が増えてもろい状態が増え始める)、
70歳以上の高齢者(男女共に乾いた、空が増えてもろい状態が増える)。
これらの人たちが毎日多忙(動き)過ぎたり、身体を冷やしてしまったり、
ストレス(心の不安定)が強かったりすると、
もともとベースにあるヴァータにさらにヴァータが加算され、
ダムが決壊するかのようにバランスが崩れて不調が出るのです。
骨格が華奢で痩せ型の女性が40歳を過ぎたら、
身体を冷やさないように気を付け、
多忙になり過ぎたり、ストレスをため込んだり、
騒音・雑音の環境に長くいるようなことは避けるのが賢明です。
耳の病気を伴うめまいは日常生活をそれまで通りに送ることが
困難になる場合もありますし、
なかなか治らないとなってしまう方も少なくはないようです。
それぞれの症状に適した治療があると思いますが、
なんであれ、
早期にきちんと休んで
ケアすることが最も大切です。
あまり長引いてしまうと完全に快復することができなくなったり、
聴覚を失う場合もあるそうです。
今年、めまいを伴う突発性難聴になってしまった方のために
漢方を調べました。
その時、
たまたま鍼灸師で現在中医学の漢方を学んでいるという方に出会ったのですが、
その方は病院へ行って、いろいろ治療を試したものの
なかなか快復とはならずに、とうとう片方の聴覚を失ってしまったそうです。
ところがその後、中医学を学んでいると、
ある日教科書に“めまいを伴う突発性難聴は針治療で治る”
という記述をみつけたそうです。
しかも、病気症状が発症してから早期2~3カ月以内くらいに治療すれば
改善に見込みがあるが、長引かせてしまったものは難しいとも。。。
「私、鍼灸師なのに気づかなかったんですよ・・・」とおっしゃり、
まだ間に合うからと、漢方薬と針治療の両方を勧めてくださいました。
たとえ鍼灸師さんであれど、
自分が病気になったときにはまず病院へというのはよくあることだと思います。
確かに私が薬を探していためまいを伴う突発性難聴になった方は、
長年かけたひどい首・肩のコリを抱えてましたが、
あまり自覚症状がなかったため、
ケアをしていなかったのです。
その後、特に首のコリが激しく、
針治療などでほぐすことで症状は和らいできたようでした。
この身体のコリもヴァータです。
コリは忙しさ(動き)や、同じ姿勢を撮り続けることによる循環の滞りで冷えて、
固まり、硬く(もろく)なった状態です。
コリによって首がブロックされてしまうと、
頭部の循環も滞り、目、耳、頭などに影響がでます。
また、
ヴァータが増え過ぎると
身体は衰弱傾向になります。
軽くて、もろくて、不安定な質が増すのですから当然と言えるでしょう。
ですから、めまいを伴う耳の病気などにかかった場合は、
休むことがいちばんなのです。
そして、早寝をして8時間以上、必要であれば10時間でも12時間でも眠って、
消化吸収しやすい作り立ての食事を摂り、
病院や漢方薬局などにかかり、必要なら鍼灸なども試してみる。
だいたいの場合は徐々にですが立て直しをしていくことも可能でしょう。
気をつけたいのは病院でも、漢方でも鍼灸でも信頼できる相性のいいところを
みつけておくということでしょうか。
漢方と言っても、いろいろあり、私の場合は中国系漢方が気に入ってます。
ちなみに、非常に痩せている方や高齢者に並んで、
40代以降の女性も注意が必要になる場合があるのは、
女性ホルモンがアンバランスになる時期と重なるということがあります。
すべての方に当てはまることとは言えませんが、
おや?
と思ったら普段よりもっと睡眠やコリ、ストレスなどに気をつけるといいですね。
そして、
普段から自分の身体を感じて、
耳を傾ける習慣を持つといいのです。
毎日でなくてもヨーガなどで自分の身体との向き合い方を知っておくこと、
また、
自分の身体の状態を把握しておくことは
何かあったときの対応が格段に違ってきます。
理想は普段からある程度のセルフケアが確立されていて、
自分で自分の身体をメンテナンスできることです。
高齢化社会と言われて久しいですが、
長生きするからには、長く健康であるというのが第一条件ではないでしょうか。
こうしたセルフメンテナンスに役立つことを『ヨーガの体心息メソッド講座』では
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